Instagramフォトコンテスト『自慢の満月フォト2025秋』入賞作品発表

 

入賞作品8点決定!!

 

 第10弾【奥田元宋・小由女美術館Instagramフォトコンテスト「自慢の満月フォト2025秋」】として2025年9月8日から11月8日まで作品募集しました。

 応募数は137点!誠にありがとうございました。本当に素敵な写真があふれていて、とても嬉しく思っております。

 次のとおり、入賞者8名の作品とInstagramアカウント名を発表します。

 入賞おめでとうございます!

 今後も「日本で一番、月が美しく見える美術館」として「Instagramフォトコンテスト」を開催予定です。詳細は決まり次第ホームページ・SNS等でお知らせします。

【入賞者一覧】

  • 奥田元宋賞
    naruto_7610_0415 様
  • 奥田小由女賞
    shiratori_toru 様
  • 三次市長賞
    823.aykhka 様
  • 三次市教育委員会教育長賞
    hiro_viewfinder 様
  • 審査員特別賞(遠藤湖舟)
    nnn181855 様
  • 審査員特別賞(繪堂晃)
    ajaxwith 様
  • 理事長賞
    renstagram.inc 様
  • 館長賞
    hirosuke5050 様

【審査員】

  • 三次市長
    福岡誠志
  • 三次市教育委員会教育長
    迫田隆範
  • 写真家
    遠藤湖舟
  • (一社)日本天文教育普及研究会会員
    繪堂晃
  • 公益財団法人奥田元宋・小由女美術館理事長
    槙本良二
  • 奥田元宋・小由女美術館館長
    松原 香織

受賞作品・審査員講評・総評

【奥田元宋賞】

naruto_7610_0415 様

審査員講評 

 夜のお祭り。
 参道の先の立派な楼門の上に見事な満月が出ています。
 お祭りなのでしょう、氏子さんたちの着ている法被に記された紋もどことなく満月のように見えるかもしれません。
 大切にしたい、残したい日本のお祭りです。
 楼門、お祭りとカラフルなのですが、あえてモノクロで撮影したことでお月様が色の中に埋もれることもなくお月様とお祭りと楼門を表現できているのではないでしょうか。

(繪堂晃)

【奥田小由女賞】

shiratori_toru 様

審査員講評

 東京駅前は前撮りの人気スポットですが、七組揃うのは初めて見ました。
 満月に薄雲がかかって情緒があり、カメラマンのリングライトが月と呼応して見えるのも面白いですね。
 安定した撮影で、とても心地よい一枚です。

(遠藤湖舟)

【三次市長賞】

823.aykhka 様

審査員講評

 偶然通りかかった自転車の子どもたちが、景色に物語を運んでくれていますね。
 満月の下で、写真が一段と生き生きとしています。

(遠藤湖舟)

【三次市教育委員会教育長賞】

hiro_viewfinder  

審査員講評

 月と小川の流れる方向がピタリと一致して凜と輝く月につながりそうな「月の道」が川面に光っているのを見事にとらえています。
 状況は異なるのですが奥田元宋画伯の「山径一條(さんけいいちじょう)」という作品を思い出します。
 道を人生になぞらえることは古来より行われており、この作品では川面の「月の道」を人生にたとえることが出来るような感じがします。
 これから進む道がこの光景のように輝かしいものになりますように。

(繪堂晃)

【審査員特別賞】遠藤湖舟

nnn181855  

審査員講評

 立山・雷鳥沢付近でしょうか。
 初雪(10/27)から満月(11/5)へ、さらに月暈(Moon Halo)まで重なった奇跡の瞬間ですね。
 この状況を確実に捉える撮影技術と山の経験、どちらも素晴らしいです。

(遠藤湖舟)

【審査員特別賞】繪堂晃

ajaxwith 様 

審査員講評

 柵に並んで同じ方向の人々とお月様のまるで記念写真のようです。花火を待っているのでしょうか。
 みなさん同じ方向を向いていますが、実は見ている先はバラバラです。スマホを見ている人、上を見ている人。退屈そうにもたれかかっている人。
 ひとり一人にユーモアとペーソスのあるちょっとした物語が出来そうです。「みんなそれでいいんだよー」とお月様がじっと見守っているようです。

(繪堂晃

【理事長賞】

renstagram.inc  様

審査員講評

 城に対してこれほど大きく月を写せるのは、遠距離からの超望遠撮影ゆえの妙ですね。
 この構図に合わせて撮影位置を緻密に調整している撮影者の姿が目に浮かびます。

(遠藤湖舟)

【館長賞】

hirosuke5050 様

審査員講評

 原爆ドームと月が重なる位置を丁寧に探して、この構図に辿り着いたのですね。
 土地をよく知る方でなければ見つからない視点だと思います。
 静かな記録として、深い意味を感じる一枚です。

(遠藤湖舟)

<<写真家 遠藤湖舟氏による総評>>

 今年の 9・10・11 月に撮影され、最終選考に残った八点の満月写真には、撮影者それぞれの眼差しと体験が鮮やかに映し出されていました。
ただ月を写すのではなく、“どの場所で、どの時間に、どのように向き合うか”その選択の積み重ねが、作品世界に確かな奥行きを生んでいます。

雪の立山の深い夜空に浮かんだ完璧な月暈、
東京駅前で前撮りの人々と満月が呼応する都市の光景、
原爆ドームの静寂に寄り添う赤い月、
田園を駆ける子どもたちが偶然紡いだ一瞬の物語、
松山城天守に寄り添う巨大な満月を精密に捉えた望遠の妙技、
祭の熱気の上に昇る月、
水路に長く伸びる“月の道”、
そして万博会場に集まった人々と共に眺める満月——。

 いずれの作品も、月が単なる天体を超え、“その土地の記憶”へと変わる瞬間を確かに捉えていました。

 満月は一年を通して同じように見えると思われがちですが、撮る人の立つ場所、息づかい、季節の湿度、人の動きによって、まったく異なる姿を見せます。今回の八点は、その多様性を見事に示すものでした。

 作品には、緻密な撮影位置の計算、わずかな偶然を逃さない判断力、地域の空気や人々の営みを自然に織り込む感性が、それぞれの形で息づいています。

 この秋の三か月間は、中秋の名月や皆既月食など、満月を見上げる機会に恵まれました。
その最良の一瞬を信じてカメラを向け続けた皆様の努力に、心より敬意を表します。

 ご応募いただいた数々の作品は、“満月を見つめる時間”の尊さを、改めて私たちに思い起こさせるものでした。

 月は同じでも、誰一人として同じ月を撮ってはいません。
その多様性と創造性こそが、このコンテストの真の魅力だと感じています。

 

 

 

 

 

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