奥田元宋作品

松韻石嶂(しょういんせきしょう)

そびえ立つ岩石の連山の麓では松林が群生し、風が吹くたびに枝葉がこすれあう音「松韻」が、岩山にこだまして反響しているかのような情景を描いています。

金屏風を思わせる六扇様式の画面ながら、金地の上に青や緑の顔料を塗って背景と前景を際立たせる装飾様式の屏風とは異なり、金地に暖色系の顔料を用いた本作は空と山が重なり合うような、どこか燃え立つような雰囲気を感じさせます。天に向ってのびゆく岩山の形は中国の山容をイメージさせますが、近年確認されたスケッチなどと照らし合わせると、群馬県の妙義山がモデルであるとも考えられます。

作品情報

制作年:1990(平成2)年
材質・形状:絹本彩色・額装
サイズ:176.0cm×221.0cm

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