奥田小由女作品

天心(てんしん)

中国・唐時代の漢服に似た袖幅の大きな服で優美さを醸し出し、右手にとまる小鳥が女性の優しさを表現しているかのような作品です。直立する体躯が芯の通った力強さを見せつつ、宙に浮かぶ天衣状の布や細やかな指先、表情などに繊細な優しさを感じます。衣装や腕の動きを強調して空間を活かし、より具象性の高い人体造形への過渡期にある作品といえます。

また、台座には豪奢な更紗布が使われています。「色彩の時代」における小由女作品における重要な特徴で、美を演出する見どころのひとつとなっています。

作品情報

制作年:1983(昭和58)年 改組第15回日展
材質・形状:樹脂・色胡粉
サイズ:76.0cm×38.0 cm×30.0 cm

TOP