奥田小由女作品

水精讃仰(すいせいさんぎょう)

前年の日展出品作《湖の愛》と同様、草花の中から立ち上るような女性と幼女がモチーフとなっている作品です。優しいしぐさで上に抱き上げられた子供に他者の視線が集中し、一身に愛情を受ける様を感じさせます。また、正面からは見えませんが裏側にももう一人女性がいます。三人の女性が一体となって青緑色の涼しげな空間を作っているようであり、もしくは植物の世界観を強調しているようでもあります。白の時代から続く、複数の女性の身体で空間や量感を表現する人形の中でもとりわけ多くの人数が登場する作品のひとつです。

作品情報

制作年:1992(平成4)年 改組第24回日展
材質・形状:樹脂・色胡粉
サイズ:80.0cm×35.0 cm×23.0 cm

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