奥田小由女作品

風の中(かぜのなか)

同年に作成された「風」をテーマにした三作品のひとつです。たなびく布のような造形は、「風」という目に見えない外的要因によって作られたものを表現しています。これまでの小由女作品では、空間を漂うような造形も数多く見られますが、いずれも作品本体の中でひとつの世界が展開する表現が多く、この作品のように外の世界との共存を図る表現は当時としては珍しかったのではないかと思われます。

これ以降、作品には風の表現を取り入れたものが多くなり、「白の時代」の主要なテーマのひとつとなります。

作品情報

制作年:1974(昭和49)年 第60回光風会展
材質・形状:木・桐粉・胡粉
サイズ:52.0cm×82.5 cm×42.0 cm

TOP