奥田元宋作品

晩秋地蔵峠(ばんしゅうじぞうとうげ)

なだらかな地蔵峠の山容をおおう木々は、秋深さを象徴する赤や黄に色づき、まばゆささえ感じさせます。山肌の所々に露出した白い岩肌は紅葉の広がる画面を引き締め、峠の険しさをものがたっています。画面右上に浮かぶ月の真下をみると、照らし出された木々が一層鮮やかに輝きを増し、まるで月が木々のすぐ上で浮かんでいるかのような幻想的な風景となっています。

地蔵峠と呼ばれる箇所は多数存在し、旅人の道中安全を祈願して峠の途中に祀られた地蔵菩薩がその名の由来といわれています。

作品情報

制作年:1988(昭和63)年 改組第20回日展
材質・形状:紙本彩色・額装
サイズ:176.0cm×221.0cm

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