奥田元宋作品

薔薇(ばら)

茶褐色の鉄絵と思しき模様が施された花瓶に、紅白の薔薇が生けられた構図の作品です。人物画を主題とすることが多かった元宋ですが、第二次大戦時に疎開した故郷吉舎ではもっぱら風景画や花鳥画を描いていたといい、花瓶に生けた花の絵もいくつか残しています。本作と同じ模様の花瓶を描いた写生作品が近年見つかりましたが、首の構造や全体の形状が微妙に異なるので、実際に薔薇を花瓶に生けて描いたのではなく、それぞれの写生を元に薔薇と花瓶を組み合わせた構図を作り上げたと思われます。

作品情報

制作年:1950年頃
材質・形状:紙本彩色・額装
サイズ:64.5cm×39.0cm

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