奥田小由女作品

朔風(さくふう)

朔風とは、北風のことを指し、冬の季語でもあります。厳しい寒さに耐える人体表現はこの時期の主な作品に共通して見られますが、角型の土台の上にすべるように配されている布状の造形が、まるで水が流れるかのような優しい表現をかもし出しています。人体を包む布は土台をも覆い、もはや服飾を超えた作品全体の象徴として存在しています。胡粉の質感と細かい造作によって外見を際立たせるとともに、朔風の名にふさわしい寒々とした雰囲気を人体と風の融合により表現による、白の時代の特徴付ける作品です。

作品情報

制作年:1975(昭和50)年 第61回光風会展
材質・形状:木・桐粉・胡粉
サイズ:42.0cm×98.0 cm×58.0 cm

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